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Case

IPS導入事例

ファインネクス株式会社様 

SAP導入で「主力製品喪失の危機」を乗り越え、数字で経営する企業へ

富山県中新川郡舟橋村に本社を置く同社は、冷間鍛造技術を活かした精密部品メーカーです。大手半導体メーカー向けにPGAピン(CPUをマザーボードに固定するためのピン)を供給し世界トップシェア、同社売上の7割を占める主力製品でしたが、数年後にこの主力製品が消滅するという大きな経営課題に直面しました。 それまで部門ごとに異なるシステムを導入していたため業務全体を管理する仕組みがなく、経験や勘といった属人的な要因に頼っていた同社ですが、SAP導入により、原価やコストといった意思決定材料の可視化から経営判断を根本から改革し、事業存続と収益維持という大きな成果を実現しました。


導入の背景

  • 変化の激しい半導体業界における危機

先代社長時代にはコンピューターのCPUで使われるPGAピンで世界トップシェアを獲得した同社ですが、2015年に現社長が就任した頃、収益の柱であるPGAピンがやがてなくなる可能性がある外部環境の危機にさらされていました。
こうした状況を受け、収益基盤の強化と新規事業創出を両立すべく、製品の選択と集中や、価格改定を推進しました。近年は、自動車用バッテリーの端子に参入し、新たな事業を進めています。

  • 管理会計の仕組みや判断材料がない

製品や販路ごとの損益がわからず、何に注力すればよいかが見えない状況でした。
「勘と経験」から「数字による科学的な仕事の進め方」へシフトするため、管理会計の仕組みの導入と判断材料を整備する必要がありました。

  • 個別最適による製造現場の混乱

製造部門ごとに個別最適されたシステムを導入していたため、前後の工程で進捗が把握できず、電話による前工程と後工程での生産調整や営業部門との在庫引き当てのやりとりに、かなりの時間を取られていました。また、製造原価や販売価格の妥当性を判断するための情報も不足していました。

導入効果

製造部ごとだった生産管理を統合し、在庫状況や進捗が部門横断で見える化しました。
品目別の実績原価を把握できるようになり、黒字・赤字商品が明確になりました。
これにより、注力すべき製品や販路、適正な価格について、数字に基づいた経営判断が可能となり、次のような導入効果があらわれました。

  • 限界利益が見えるようになり、「売上目標」から「限界利益目標」での管理へ
  • 期末棚卸業務のための全社生産停止が1~2日/年あったものが、現在はゼロ
  • 経理の工数削減:数字を突合する業務から予実管理へ
  • 部署間連絡業務の削減:各工程で半日は電話対応していたのが、現在はほぼゼロ
  • 長期滞留品廃棄:ERP導入前の1/3

SAPを選択した理由

  • 会計から生産管理まで一気通貫のSAP ERP

生産管理パッケージ等の複数製品を比較検討した結果、会計から生産管理までをカバーして経営課題を解決できるパッケージの選択肢は少なく、とくにロットレベルで損失の見える化に標準仕様で対応できるのはSAPだけでした。

  • ベストプラクティスで経営の型を作る

各工程ごとに製造され、部門間、販売管理、会計と連携していなかった個別最適の状態から脱却するため、世界標準の業務の雛形としてSAPが提供するベストプラクティスを活用しました。MRPや指図といった製造業に必要な計画と進捗の仕組みを整え、会計とつなげて意思決定していくようにしました。

導入時の方針

「個別最適を全体最適にする、それに向けて仕事の仕方を変えていく」という方針のもと、社長自らがプロジェクトリーダーとなりトップダウンかつ、情報システム部門、製造部門の三位一体で業務標準化を推進しました。
業務標準化は会社として最適化されるものの、すべての部門の業務が今より効率的になるわけではありません。コミュニケーションを重視して全体最適の方針へ推進していく必要があります。

現場の反発解消と定着

こうした変革に伴い、SAP導入当初は現場の社員を中心に一定の反発も見られました。
しかし導入してから半年が過ぎた頃、下記のような具体的なメリットが現れ始めてからは、SAPは急速に社内に受け入れられるようになりました。
・メッキ工程と組み立て工程で異なる工場で作業しているが、SAPを導入したことで、工場間での在庫確認の電話が必要なくなった
・週1回のぺースで行っていた調整会議も不要になった

解決した経営課題


同社は、売上の大半を失うリスクに直面しながらも、SAPの導入によって在庫管理・原価管理・経営判断を根本から変革しました。
その結果、事業存続と収益維持という大きな成果を実現しました。

また、SAP ERP導入により在庫や原価をはじめとする「会社の今」をリアルタイムで把握できるようになり、全員が同じ数字を見て仕事ができています。
業務標準化に伴って、製造部門間での従業員のローテーションができるようにもなりました。
会社を全体最適させた結果、変化に強い組織にも成り得たのです。


今後同社では、ERPシステムを同社の社員ひとりひとりにとって、よりシンプルでわかりやすく馴染みのあるものとして、蓄積されたデータからの分析力を高め、社員の皆が行動に移せるように見える化を行い、有効活用をより積極的に進めていく考えです。

会社情報

設立昭和44年3月1日
社員数350名(2025年)
資本金1億円
売上非公開(公開情報なし)
業種製造業
事業内容民生用エレクトロニクス部品、自動車用エレクトロニクス部品
導入内容SAP ECC (財務会計、管理会計、在庫 / 購買管理、販売管理、生産管理、
品質管理), SAP BusinessObjects
導入期間2017年3月から2018年4月

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